体内水の排出

 私達の身体では、1日に約2.5ℓの水が出入りしていると言われています。その水は、外部から取り入れる水分だけでなく食物からも摂取されたり代謝によって体内で作られる水もあります。
そして、水の排出は、主に4つの機能で行われています。
最も多いのが、尿で、1日の排出量の約半分を担います。次に多いのが、汗になります。
3つ目は、呼吸による吐く息に含まれる水分です。私達は、1日に約200万回呼吸をすると言われています。そして、この呼吸によって排出される水の量は、コップ約2杯分(360ml)と言われています。私は、この事実に驚きました。最後が、便です。

体内水のある場所

 私たちの身体の6割を占める体内水の2/3が、細胞内に存在する細胞内液です。
そして、この細胞内液は、通常、一定量に保たれていなくてはいけません。
残りの1/3は、リンパ液、血漿、間質液、脳脊髄液の中に存在しています。

 

リンパ液・・・

リンパ管は、静脈に沿って網の目の様に全身を走っています。この中を流れる無色透明の体内水がリンパ液で、体重の約8%を占めています。

 

血漿・・・

私たちの体重の1/13が、血液と言われています。そして、血液の約半分近くが、赤血球や白血球、血小板などの固形物で、それ以外が血漿と呼ばれる体内水になります。

 

間質液・・・

間質液は、血管やリンパ管、臓器や臓器の
間にある隙間を満たしています。血漿の倍量が存在し、血管や細胞の壁を通り抜けて移動します。

 

脳脊髄液・・・

脳脊髄液は、脳と脊髄を覆う脳脊髄腔の中に存在します。成人の脳脊髄液量は、約150mlと言われ、脳や脊髄に栄養を届け、老廃物を回収する他に、外部からの衝撃を和らげる働きもあります。

 

体内水の移動

 私たちの体内水は、常に移動しています。
水は分子が小さいので、血管や細胞の壁を通り抜け、全身を巡りながら細胞や臓器に栄養を届けて、老廃物を回収します。

 

心臓は、そのポンプの働きで血液を身体の隅々まで行き渡らせてくれます。
その他の体内水の移動は、浸透圧、重力、筋力によって行われています。

 

浸透圧・・・

水は、溶け込んでいる物質の濃度が低い方から高い方へと移動する性質を持っていて、これを、浸透圧と呼んでいます。
体内水の主な濃度差を作っているのは、塩(塩化ナトリウム)が分解された物質です。
私たちの身体は、血液中やリンパ液内の塩分濃度が高いと、濃度を下げるために浸透圧によって血管やリンパ管、細胞内を移動させます。

 

重力・・・

あらゆるものを上から下へ引っ張る重力も、体内水の移動にかかせません。
長時間の立ち仕事で、足がむくむのは重力によって体内水が下方へと移動したからです。

 

筋力・・・

筋肉も心臓と同様に体内水を押し流すポンプの役割をしています。
身体を動かすことで収縮する筋肉の圧力が、リンパ管や組織間隙内の体内水を移動させます。そして、ふくらはぎにある腓腹筋やヒラメ筋は、重力で溜まった体内水を上半身に押し上げる力を持っています。

体内水の不足と滞りのサイン

体内水不足のバロメーター

 

不足が3%未満・・・口が渇く

 

不足が3〜10%・・・疲労感、めまい、頭痛、嘔吐、食欲低下、血圧低下

 

不足が10%以上・・・意識障害、死亡

 

また、滞ると足のむくみや舌苔(舌の表面の白い苔)が現れ、舌の周囲がギザギザになるようです。