体内水とは

 私達の身体の6割は、水分でできていると言われています。
主な割合としは、筋肉の75〜80%、皮膚の71%、骨の1/3は水分であり、体内水と呼ばれています。
そして、体内水は、特定の場にとどまっているわけではなく、絶えず行き来をして循環しています。
口から摂取した水は、胃腸で吸収され、血管に入り血液として全身を流れます。また、各部位で組織間の水分になったり、細胞内に取り込まれたりし、身体の動きを助けます。その後、水分は老廃物などとともに静脈に戻り、血流にのって腎臓へと届けられ、ほとんどが尿として排泄され、一部は、汗や吐く息として排泄されます。

循環と健康

 この水の循環が上手くいかなくなると、血液やリンパの流れが滞ったり、体温の調整や細胞内の水分量が乱れ、様々な症状がおきます。

 

東洋医学では、身体の働きを「気」、「血」、「水」の3つのエネルギーと考え、水分の滞りや乱れは、「水」の以上と考え、か病気の原因や未病とします。
一方、西洋医学では、水自体の循環には着目せず、病気を部分トラブルと捉える傾向がある為、根本的原因の解決にはならず慢性化することが少なくありません。

 

体内における水の循環がスムーズに行われると、臓器の新陳代謝も正常になり不要な老廃物も排泄されるので、身体は、健康を保つことができます。

 

では、なぜ、体内の水分代謝の異常が起きるのでしょうか?
その主な原因は、心臓や血管など循環器のトラブル、腎臓など泌尿系のトラブル、胃腸での水分吸収のトラブルなどが考えられます。
そして、見落としされがちなものの中に、自律神経の乱れがあります。
自律神経は、交感神経と副交感神経によって成り立ち、身体が緊張状態か弛緩状態かを決める神経の働きです。
体内の水の滞りと自律神経の乱れは、どちらが先とは言えませんが、水の流れを良くすることで自律神経のバランスが整い、様々な不調を改善することができると言われています。

スムーズな循環を維持することで得られる主な効果・効能

1.肥満改善

肥満は、余分なエネルギーが体脂肪として蓄積された状態です。運動量や体質、体調にも左右されますが、代謝のバランスの崩れ、ストレスによる食欲のコントロールができないことが原因であることが多いです。また、体内水が滞留し、むくんでしまうことで、太って見えることもあります。いずれにしても、体内水の量や流れを改善することで細胞が活性化し、エネルギー代謝が整うことで解消することができます。

 

2.血液サラサラ効果

血液が汚れて流れが悪いのは、血液中のコレステロールなどの脂質の量が増え、狭くなっている状態です。この状態は、心臓や血管に負担をかけ、耐えられずに破裂するとくも膜下出血を起こします。また、狭くて血液が通れなくなった先の組織が壊死するのが、心筋梗塞や脳梗塞です。水を飲むことで、血液の濃度が正常に保たれ、流れやすくなります。
また、ミネラルウオーターのミネラル成分が有効的に働いてくれます。

 

3.消化機能の向上

私達の身体の6割を占める体内水は、各部を巡って細胞を正常に保ち、栄養分を届けたり、老廃物を排出したりしています。水がしっかり巡らないと、臓器機能も低下し、消化機能も低下します。また、胃や腸内の水分が少なくなると胃酸が濃くなり、便が硬くなるといったトラブルにも繋がります。このことからも、水の補給が重要なことが分かります。ただし、飲んだ水は直接消化器官を通るので、温度、量、成分には注意が必要です。

 

4.美肌効果

みずみずしい肌、若々しい肌には皮膚の水分が欠かせません。水を飲まなかったり、コーヒーやお茶の利尿作用により慢性脱水症状なっていても、皮膚からは水分が蒸発します。血液中の水分が減りドロドロになると、体内水が滞り、その部分が繊維化して硬くなりシワの原因になります。体内水の環境を整えて、循環を良くすることで、リンパも血液もしっかりと、流れ細胞が活性化し、若さを保つことができます。

 

5.冷え防止

冷えの原因は、血行不良、代謝の衰え、自律神経の乱れ、脱水症状です。自律神経は、血管の収縮や拡張を司ります。ストレスや緊張で血管が収縮すれば、抹消血管が狭くなり、温かい血液が末端まで運ばれず、足先や手先が冷えて、顔が火照ったりします。また、体内水が不足すると、血液が粘度を増し、流れにくくなる為、さらに冷えが進みます。特に常温水を飲むことで、血流を良くし、細胞が活性化すれば循環器の働きも良くなります。特に炭酸水には、血管拡張作用があり、カリウムには血流を良くする働きがあります。